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桜井 淳
日本原子力学会誌, 39(3), p.231 - 236, 1997/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)Nb(n,n')Nb及びHg(n,n')Hg反応の中性子断面積及びコバリアンス・マトリックスの評価手順について詳細に記述してある。U核分裂中性子スペクトルに対する平均断面積は、Nb(n,n')Nb反応に対して0.99、Hg(n,n')Hg反応に対して0.86である。これらのデータは、JENDL Dosimetry File及びその改良版に収納されている。Nb(n,n')Nb反応は、原子炉圧力容器のサーベイランス・ドシメトリーに有用である。Hg(n,n')Hg反応は、臨界実験装置のような低い中性子束での照射場における高速中性子測定に有用である。特に、Hg(n,n')Hg反応の評価済み中性子断面積は、評価済み中性子データファイルに初めて導入されたものである。
高田 弘; 明午 伸一郎; 佐々 敏信; 深堀 智生; 坂本 幸夫; 義澤 宣明*; 降旗 しおり*; V.I.Belyakov-Bodin*; G.I.Krupny*
Proc. of 3rd Workshop on Simulating Accelerator Radiation Environments (SARE3), p.255 - 263, 1997/00
核破砕ターゲットにおる中性子輸送特性データを取得するために、0.895及び1.21GeV陽子を直径20cm,長さ60cmのタングスタンターゲットに入射射せる核破砕積分実験を行った。実験では種々の放射化検出器を用いて、Al(n,d)Na,Bi(n,xn)反応などについて円筒表面上の反応率分布を測定した。解析では、NMTC/JAERI-MNCP4A,HERMES及びLAHETの3種類のコードによる計算を行い、JENDLドシメトリファイル及びALICE-Fコードによる核種生成断面積を用いて反応率を求めた。計算結果と実験結果との比較を行った結果、入射明から30cmまで位置の反応率について、3種類のコードのうち、LAHETコードによる結果が実験結果と最も良く一致することがわかった。これは前平衡衝過程が考慮されているためである。この場合、C/E値は0.8~1.2の範囲にあった。55cmの位置では、全てのコードでC/E値は他の位置よりも極端に大きくなった。
桜井 淳
JAERI-Research 94-005, 16 Pages, 1994/08
JENDL Dosimetry Fileに収納されたNb(n,n′)NbおよびHg(n,n′)Hg反応の中性子断面積およびコバリアシス・マトリックスの評価手順が詳細に記述されている。U核分裂スペクトル平均断面積のC/Eは、Nb(n,n′)Nb反応に対して0.99であり、Hg(n,n′)Hg反応に対して0.86である。
高橋 良和; 吉田 清; 安藤 俊就; 檜山 忠雄; 辻 博史; 西 正孝; 多田 栄介; 奥野 清; 小泉 興一; 中嶋 秀夫; et al.
Cryogenics, 31, p.640 - 644, 1991/07
被引用回数:12 パーセンタイル:64.42(Thermodynamics)核融合実験炉(FER,ITER)用超電導ポロイダルコイルを目標とした開発の1つである、実証ポロイダルコイルの最初のテストコイルであるDPC-EXは昨年完成し、実験が行われた。本コイルは17kAまで1秒で立ち上げることができ、この時常電導転移はみられなかった。また、この時の最大発生磁界は6.7T、最大変化磁界は6.7T/Sである。このパルス運転結果及び、安定性試験結果について報告する。
大山 幸夫; 小迫 和明*; 中川 正幸; 中村 知夫
Fusion Engineering and Design, 18, p.281 - 286, 1991/00
被引用回数:5 パーセンタイル:53.87(Nuclear Science & Technology)核融合炉の核設計に用いられる核データと計算手法の検証のため、原研/米国DOE協力計画の枠組の中でブランケット積分実験が行われてきた。これらは平板体系とDT反応中性子とによるPhase-I、炭酸リチウムで中性子源と実験体系を取囲み反射中性子成分を模擬したPhase-IIそして、疑似線状線源と長軸円筒体系によるPhase-IIIの実験シリーズからなる。各シリーズの中でも物質の配置が変えられ、全体として、物質の種類、配置、幾何学的効果等を調べられるようになっている。これらの各体系はDOT3.5とMORSE-DDによって解析され、実験値との比較としてC/E値が与えられている。このC/E値をその分布する範囲と典型的な値とでまとめ、各システムを横軸に並べなおし、全体的な傾向から、実験値の系統的なバイアスの可能性や、物質・配置による相関を調べた。結果から高エネルギに感度のある反応では、ベリリウムを持ち込むことによって系統的にC/Eが下がる傾向のあることがわかった。
池田 裕二郎; 大石 晃嗣*; 今野 力; 中村 知夫
Fusion Engineering and Design, 18, p.309 - 315, 1991/00
被引用回数:3 パーセンタイル:40.77(Nuclear Science & Technology)D-T核融合装置のプラズマ対向材および遮蔽材の候補として重要なタングステンの核的特性を調べるためにFNSを用いて積分実験を行った。測定項目は(1)放射化法による各種反応率分布、(2)NE213を用いた体系内スペクトル分布、および(3)タングステン中の誘導放射能である。体系の大きさは直径32cm、厚さ25cmである。深さ25cmにおける中性子束の減衰率を他の物質である鉄、黒鉛、ベリリウムおよび普通コンクリートのそれと反応率比で比較した結果14MeV中性子に対し2.5~10倍、1MeV以上の中性子に対し4~10倍高いことが示された。またAu(n,)Auの反応率分布から高い熱中性子吸収率をタングステンが持つことが示された。一方JENDL-3を用いた解析から、5MeV以下の中性子に関し計算が20~40%の過少評価をしていることが明らかになった。これは(n,2n)あるいは非弾性散乱断面積の評価が不充分であることを示している。
大部 誠; 根本 龍男; 桜井 健; 飯島 進; 田原 義壽*; 大杉 俊隆
JAERI-M 90-052, 52 Pages, 1990/03
FCAにおいて高転換軽水炉(HCLWR)に関するPhase-1実験で構築された3種類のウラン燃料系ゾーン型炉心について、反応率を測定した。各炉心は、異なった燃料濃縮度および減速材/燃料、体積比から成る中心試験領域を有している。径方向と軸方向のU、Pu、U、Npの核分裂率分布は小型核分裂計数管をトラバースする方法で測定した。試験領域内の基本モード成立領域は、これら各種の核分裂率分布の一致を確かめる手法で検証した。U核分裂率に対する中心反応率比は、小型核分裂計数管および金属ウラン箔を用いて求め、3炉心間の反応率の変化を調べた。測定データの解析は、核データファイルJENDL-2を用いたSRACコードシステムにより行った。反応率比は、計算値がU捕獲反応率/235U核分裂率およびU核分裂率/U核分裂率の実験値を3炉心共、過大に予測している事が明らかになった。
高橋 良和; 安藤 俊就; 西 正孝; 辻 博史; 檜山 忠雄; 奥野 清; 吉田 清; 中嶋 秀夫; 小泉 興一; 多田 栄介; et al.
Proc. of the 11th Int. Conf. on Magnet Technology,Vol. 2, p.862 - 867, 1990/00
現在製作が進められているDPC-EXは、NbSn導体のトカマク型核融合炉用ポロイダルコイルへの適応性を実証するための超電導コイルである。本コイルの内径及び外径は、1m及び1.6mで、定格電流値は10Tにおいて10kAである。cable-in-conduit型強制冷却導体である。この実寸大導体の80kレベル及び4kレベルにおける圧力損失および8Tから11Tにおける臨界電流値を測定したので、その結果を報告する。
千原 順三
Progress of Theoretical Physics, 59(1), p.76 - 86, 1978/01
被引用回数:30以前に古典液体を扱うPercusの方法を量子論的に拡張することで、量子論的Hyper-netted Chain方程式を導いたが、この式が絶対零度の電子ガスを扱うKohn-shamの方法からも導けることを示した。この導出は、またPercusの方法の量子系への拡張が正当であったことをも証明している。さらにKohn-shemの方法によって一定密度からのずれが大きい場合の外場U(r)中の電子密度分布n(rrU)を求める積分方程式を導いた:この式の第1項は、バンド計算・原子構造の計算に用いられるSloterの局所ポテンシャルを与え、第2項以上はこれにたいする非局所性の補正を与えることが示される。ここで導いた積分方程式は、絶対零度の電子ガスばかりにではなく、有限温度の量子液体にも適用できる。
千原 順三
Progress of Theoretical Physics, 60(6), p.1640 - 1652, 1978/00
被引用回数:14水素プラズマを、陽子電子の混合系として10,10,610,610固/cmの密度の場合、いくつかの10Kのオーダーの温度で、量子力学的なHNC方程式(QHNC)を用いて動径分布関数を計算した。陽子・電子の分布関数は、昔から古典的な取扱いでは発散を生じることが知られているが、この方法によるとQHNC方程式にともなうSchroedinger方程式を解くことで自動的にこの発散は防がれる。同時に水素プラズマ中における電子の陽子による束縛エネルギー準位も計算された。10,10,610,610個/cmの密度で各々3.310,4.810,5.410,5.910K近くで、水素分子の形成を示す山が陽子・陽子の相関関数に現れる。またプラズマのこの温度への接近は、電子の束縛エネルギーの変化が大きくなることで観測されることが予測される。低密度高温領域では、QHNC方程式からある条件の下に導かれる量子力学的Debye-Hiickel方程式で、束縛エネルギー準位・相関関数を、ともに正しく計算できることを示した。
千原 順三
Progress of Theoretical Physics, 50(4), p.1156 - 1181, 1973/04
被引用回数:37Moriの連分数の方法を用いて導いた一般化されたハートリー方程式をもとに、古典液体におけるOrnstein-Zernikeの関係式、直接相関関数を量子液体の場合に拡張した。これをもとに、1つは外場中の電子ガスにたいするHokenberg-Kohn-Merminの理論を、一般の量子液体の場合に拡張し、1つは古典液体での積分方程式を導くPercusの方法を、量子液体の場合に拡張した。この方法を用いて中性量子液体にたいしてPercus-Yevickの方程式・Hypernetted chain方程式を拡張した。荷電量子液体(電子ガス)にたいしては、相互作用を短い部分と長く弱い部分に分けることにより、新しい積分方程式を導いた。中性および荷電量子液体にたいするこれらの方程式と組みあわせると、一般化されたハートリー方程式は、それぞれフェルミ液体におけるLandau方程式、電子ガスにたいするLandau-Silin方程式の、大きな波数、周波数領域への拡張を与えていることが示される。